今の時代、「転職するのは当たり前」とは言われるけど、本当にそう?――そんな疑問に答え、ビジネスパーソンを対象にアンケート調査を実施しました。実際に転職や転職活動の経験がある人はどれくらいいるのか、世間のビジネスパーソンは転職に対してどんなイメージを抱いているのか、また、転職にあたって意識しておきたいことをお伝えします。
そうだ、転職しようというのは当たり前の時代
転職をすることが当たり前の時代になってしまった。
転職を1度もしないということも、リスクになった時代である。
一度でも転職をしたことがある人ならわかると思いますが、実はキャリアの無駄になることも多くあるというのが現状です。
なぜなら、社内の信用預金がないということが大きく影響をしています。
入社したあと、信頼と実績を上げてくると自然と信用預金がついてきます。
そうすると無理なお願いに対しても、あの人に言われたらしょうがないというようになる。
転職をするということはその信用預金がなくなり、ゼロから実績をつくることになるからだ。
転職をする際に必要なものは、キャリアの地図、羅針盤、自分なりの判断基準の3つが必要になる。
キャリアの地図というのは、自分がどういうキャリアを築いて、そのポジションを取りに行くのか。
羅針盤とは、そのポジションを取りに行くにはどうしなければならないのか、何が必要なのかを理解すること。
そして、自分なりの判断基準がなければ、決断の時に困ることになる。
転職の準備というのは常日頃からおこなっていてほしい。
これからは個人の時代に突入をしており、会社はいざというときには守ってくれない。
解決金制度が成立をすると、雇用の流動化がより一層加速することはまちがいない。
また、早期退職制度を取り入れている会社が増えてきている。
リストラというとネガティブなイメージがあるけれど、
早期退職制度ということで解決金制度に似たシステムが現在もあるということ。
退職金を上積みしますから、退職してくださいと企業が合法的に編み出した方法でもある。
だからこそ、いつ何時でも転職ができる準備をして、
自分の内面としっかりと向き合うことがひつようになるでしょう。
転職・転職活動をしたことがある人は6割以上。40代では8割を超える
全国の20代~50代の働く男女209人(男性:120人、女性:89人)にアンケート調査を実施。「転職活動したことはありますか?」という質問に対して、「転職活動をして、実際に転職した」が52.6%と半数以上を占め、「転職活動をした(転職しようと実際に企業に応募はした)が、転職はしていない」(12.4%)と合わせると65.0 %の人が、転職活動に対してアクションを起こした経験がありました。
ポジティブ」なイメージを抱く人の理由は4パターン
転職に対してポジティブなイメージを抱いている人にその理由をたずねたところ、大きく分けて5つのパターンが見られました。
待遇や環境が良くなる
「給料が上がり、待遇も良くなるから」(46歳/男性/IT・通信)
「より自分の望む環境に身を置けるようになるから」(25歳/男性/商社)
「今の会社が合わないなら、会社なんてごまんとあるのだからさっさと辞めた方が人生幸福だと思うし、ステップアップのための転職ならば1つの会社に留まる意義なんて薄れている」(23歳/女性/IT・通信)
これまでの経験やスキルを活かせる
「身に付けたことを活かせるから」(44歳/男性/教育)
「自分の経験を買ってもらえるから」(44歳/男性/メーカー)
「今の会社以外に自分が役立つ場所があると思うから」(52歳/女性/IT・通信)
経験・視野の幅が広がる
「いろんな経験ができるから」(34歳/女性/メーカー)
「他の世界を知るのは良い機会と考えるから」(44歳/男性/金融)
「キャリアアップにつなげるだけでなく、さまざまな業界・業種を体験することができる数少ない手段だから」(27歳/男性/IT・通信)
自分を変える、チャレンジする機会である
「新しい自分を見つけることができる」(23歳/男性/サービス)
「より良い自分に近づきたいための行動だから」(49歳/女性/サービス)
「新しいことにチャレンジするのはいいことだと思う」(35歳/女性/IT・通信)
「自分を変える、自分が変わることが求められるから。転職活動では自分をアピールし、選択した結果が自分に対してプラスになるよう考えて進めている」(54歳/男性/メーカー)
そのほかにも「今はそういう時代だから」(25歳/女性/サービス)、「自分を取り巻く労働環境は刻々と変化する。それに適合するために行動を起こすことが必要だと思うから」(42歳/男性/IT・通信)と時代の流れから今後のキャリアを見据え必要なものである、と考えも見受けられました。
「ネガティブ」なイメージを抱く人の理由とは?
一方、転職に対するイメージを「ネガティブ」と答えた人にも、その理由を聞きました。
複数見られたのは「今の会社に満足」というもの。つまり、転職そのものに抵抗感を抱いているというより、「転職する必要性を感じていない」ということのようです。
そのほかの理由としては、以下の回答が見られました。「面倒」(32歳/男性/金融、38歳/男性/サービスほか)
「『退職する』ということに後ろめたさを感じる」(31歳/女性/サービス)
「退職金が減る」(28歳/男性/金融)
「未知なのは怖い」(34歳/女性/IT・通信)
「自分に自信がない」(32歳/男性/商社)
「実力がない」(59歳/男性/メーカー)
後半3つの意見は「転職先で活躍できないのではないか」という不安からきているようです。
転職にネガティブイメージを持つ方もいますが、65%以上が企業に応募したり、実際に転職を経験したりしていることや、20代の転職者も増えてきていることから、さらに転職が当たり前になっていく時代が予想されます。
そういった時代の流れの中では、「必要性のなさ」や「漠然とした不安」から転職に対してネガティブであり続けることは、かえってリスクになるかもしれません。先のキャリアを考える上で、転職の可能性を排除せず、次のような視点で準備をしておきましょう。
年功序列社会から実力主義へ
転職は自らが理想とするキャリアを歩むための選択肢の1つです。
かつての日本型の考え方が終りを迎え、人材が理想の企業を探して流動的になる新たな働き方が定着しつつあります。
年功序列は日本固有の制度
日本企業の多くはもともと、勤続年数が上がるにつれて役職などポジションが自動的に上がっていく「年功序列制度」を取り入れています。
これは日本特有の縦社会が濃厚に反映されている制度であり、年長者は敬うべきという考え方がベースです。
しかし社会の変化やグローバル化が進むとともに、個人のスキルや成果にフォーカスを当てる「実力主義」の考え方が広まり始めてきました。
実力主義の企業が年々増加
インターネットの普及によりグローバル化が一気に推し進められ、日本企業は海外との競争にさらされることになりました。
今までは働き続けていればポジションが保証されていましたが、これからは違います。
よりスピード感を持って海外企業に対抗するためには、優秀な人材が指揮をとって対応することが求められるのです。
そういった考え方が広まることにより、実力のある人材を重用する企業が増え、現在の実力主義が普及していった背景があります。
理想の働き方の実現に大切なもの
世間が持っていた転職に対するイメージは、少し前と比べて格段に良くなっています。
とはいえ、何も考えずに転職活動を行ってしまっては、失敗の可能性が高まってしまいます。
次に転職を通じて理想の働き方を実現するために大切なことをご紹介します。
どんなキャリア形成が可能か
希望とする業界・業種で働くことによって、自分自身が理想のキャリアを歩めるかどうかの事前リサーチを行いましょう。
キャリアアップの内容や年収例、ワークスタイルなどは希望する企業・同業種の採用サイトなどで確認する必要があります。
入社した際の具体的なイメージを膨らませながら情報収集していくことが大切です。
スピード感を持って転職できるか
スムーズに移ることができるかどうかも、転職活動においては重要な要素です。
特に未経験から異業種に挑戦する場合、選考に時間がかかってしまう傾向にあるため、モチベーションを維持するのが難しい側面があります。
できるだけ短期間に集中して転職活動を行うことが成功の秘訣です。
制度・待遇面の内容確認
休日の日数や平均残業時間、福利厚生など働く環境が整っているか事前に確認しましょう。
理想のキャリアを歩むにあたり、仕事に集中できる環境があるかどうかは重要なポイントです。
採用サイトや求人サイトに掲載している会社情報を通じて、自分が求めているものに当てはまるかどうかをチェックしてみましょう。
コメント